「バーガヴァタ・プラーナ」編集日記2

4月3日

さて、本日はヴリンダーヴァナへ出発。
ヴリンダーヴァナまでは、マトゥラーから約10キロくらいあります。途中の道はわりと良く舗装されていますが、ところどころ穴が開いているので、がたがたと、頭の先まで振動がやってきます。移動は晴れの日がよいでしょう。それに祭礼の日が最適です。日曜日もよいでしょう。巡礼の人などがたくさんいて楽しいです。人が少ないと、少し寂れて寂しく思えます。
途中にはいくつかの観光ポイント?があります。まずマトゥラーを出てすぐのところに、ビルバ?財団だったか、そんな名前の財閥が造った寺院があります。かなり最近のもので、白い大理石で出来ており、非常にさわやかで綺麗です。中の庭園も整えられていて、しばしの時を過ごすと良いでしょう。
そこから出発して、しばらく走っていくと、右手に多くの人がたくさん集まった門構えが見えてきます。周りには売店もたくさんあり、巡礼の人々もたくさん降りて、中に入っていきます。ここは何かというと、一人のインド人が造ったお寺なのですが、先に述べたビルバ?だったか、そこが造ったものとは異なり、少し悪趣味です。中は結構広くて、奥には5階建てくらいの大きな建物があります。前には水のない池があり、周囲では、幾人かの人が暮らす2階建のアパートみたいなものが建っています。ここに住んでいるのはどういう人かというと、まあ、それについては後で書きます。
さて、右手の靴預かり所に靴を預けて、正面の建物に入っていきましょう。入場料は5ルピーくらいだったかな?入ろうとすると、インド人以外はストップをかけられます。椅子に座った人の良さそうなおじさんが、「入るには、次のマントラを唱えなければいけません」と仰る。どうやら、「私はヒンズー教に帰依します」とかなんか、そんなような意味のマントラを唱えると、無事に入れてもらえます。
中はどのようになっているかというと、丁度、コンクリート造りの古い学校のようです。一階は、インド神話のテーマから取った、箱庭みたいなセットがいくつもあり、安っぽい電気仕掛けで動いています。けれども、作りがかなり安っぽいのと、電気節約のためか、建物内は非常に暗いため、今ひとつで、特に見る価値もあるように思えません。2階、3階と上がっていくと、各階には集会場やら、神様を祭った神殿などがあり、また、この建物を建てた何とか言う人の略歴などが書いてあります。眼鏡をかけた男性なのですが、自分で稼いだお金をすべて投じて、これらの建物を造ったそうです。管理しているのは、どうやらその信奉者のようです。
この建物で唯一見る価値があるとすれば、一番上の階に行きましょう。そこから北の方角を眺めると、ヴリンダーヴァナの遠景がみえ、非常に爽快な気持ちになります。緑の森が広がったあちこちに、寺院の尖塔がそこかしこに浮かび上がっています。

この建物を出てからは、一路ヴリンダーヴァナに向かいましょう。(続く)

4月5日

セクハラメールとか色々来るので、メール受付は終了にしました。用件のある方は、出版社にお問い合わせください。

さて、リキシャやら、オートリキシャなどでヴリンダーヴァナに到着すると、どうやら停車する場所は決まっているみたいで、そこには現地のリキシャ引きやら、ガイドの人がたむろしています。英語が通じる人もいますが、あまり期待しない方がいいでしょう。だいたいが我々日本人と同程度の語学力です。マトゥラーの街のあちこちには、「英語をみなで勉強しましょう、どうしてしないの?レッツトライ!」なんていう看板が立っています。
話はもとに戻って、ヴリンダーヴァナですが、まあマトゥラーも同じですが、町の中には地図をのせた看板なんかどこにもありません。本屋を探して地図があるかと聞きましたが、そんなものどこにも売っていない。だいたい本屋といっても、せいぜいが日本における駅の売店くらいのものと思った方がいいでしょう。そういうわけで、どうしてもガイドを頼まなければわけがわからなくなります。私はいつもコンパスを持って歩きます。そうでないと北も東もわからなくなり、太陽の高さと時間から方向を見極めるなんて、原始時代に戻ってしまいます。
そのうちにここに地図を載せますので、お楽しみに。
さて、この停車場所からは、ヤムナー河まであるいて10分くらいです。地元の人に「ヤムナー?」とか聞きながら行けば、すぐに辿り着きます。ヤムナー河沿いには、クリシュナ様がゴーピー達の衣を盗って登った木とか、蛇のカーリヤをやっつける為に登ったカダンバの木などがあります。このあたり、悪い猿がたくさんいるので、気をつけましょうね。眼鏡とか帽子は盗られてしまいます。私、ヤムナー河沿いにそって歩くのが楽しいです。所々はかなり狭い道で、階段状に川まで続いているところもあります。ボート漕ぎの人がしつこく「乗らないか?」と声をかけます。小さな子供とかが声をかけてきた時は、いいかげんうんざりしました。インド旅行で大切なのは、まあ、どこでも同じかも知れませんが、現地語がわかるとか、英語がわかるなんて、そぶりも見せないことです。声をかけてきても、「あんたなに言ってんの?」と日本語で返事してあげましょう。適当に日本語で受け答えしていれば、そのうち諦めます。中には日本語で話しかけてくるインド人もいます。たいていは向こうから声をかけてくるのは、ろくでもない人ばかりです。うまいこと言って何か買わされたり、不愉快な目にあいます。絶対に無視しましょう。あちらは生活かかっているので、必死なのです。ついでに、インド人から「あなた日本で何してますか?」と聞かれた時のベストアンサーは何だと思います?それは「警察官」です。「what are you doing in japan?」ときたら「police officer」と答えてあげましょう。インド人は権威に非常に弱いようで、そんな返事をきいたら、悪い人間はびびってしまいます。女性でも心配いりません。インドには女性警官はたくさんいますから。でも、無視するのがベストですね。
しばしヤムナー河あたりをうろうろしたら、次には、ラーサダンスが踊られた場所に向かいましょう。ヤムナー河からほんの数分のところにあります。庭園のようになっていて、中には、何という木か知らないが、低い灌木が森のようになっています。一応順路のようになっているので、みなと一緒に歩いて行けばいいです。特になんということもない、少し広い庭園です。ここにも猿がたくさんいます。入り口で餌を買って入っていったら、後ろから猿に強奪されてしまいました。あああ。順路を歩くうちに、「ここでラーサダンスが踊られました」なんていう記念碑やら、会堂みたいな建物があったりします。けれども、ここは本当の場所ではないんですよね。別の場所からのレプリカなのです。本当の場所はどこかというと、さあ、どこなのだろう?
だいたい、みなさん、マトゥラーとヴリンダーヴァナは約10キロ離れていて、後に述べるゴーヴァルダナ山とマトゥラーの間は20キロ離れていますし、プラーナの記述から考えると、どうやらヤムナー河は今よりもずっと西側を流れているように思えてならない。とにかくゆっくりと流れる川だから、5000年も経てば、かなり流れは変わっているに違いない。ゴーヴァルダナ山はおそらく変わることはないだろうけれども。(続く)

3月15日からのデータがうまく転送できていなかったようです。本日気づきました。下のボタンをクリックして、先に戻って読んで下さいね。
ちなみに下巻の発売は5月9日です。価格は3500円。上、中、下の三冊まとめて買うと、だいたい一万円です。ヤスーーイ!。

4月20日です。

パソコンの調子がおかしかったので、しばらく休止中でした。いつハードディスクが壊れるかと、冷や冷やします。最近のノートパソコン買いました。ハードディスクがフラッシュメモリです。これなら絶対壊れません。水に浸けたり、窓から落としたりしない限り。
本ができあがり、カバーの美しさに感動しています。緑色なのですが、微妙な色合いに発色しています。ちなみに、本の本体の色、一応考えて決めてるんですよ。上巻は白、中巻は黄色と緑。すると下巻は……。て、もうおわかりですね。けれどもいちおう、クリシュナ様とバララーマ様の色にしておきました。
しかし、720頁は重い!ズッシリと手にこたえる。五月始めに本屋に並ぶと思ったのですが、あいにく連休がかかるので、どうなるかわかりません。アマゾンなら早く手に入るかも知れない。

4月21日

ヴリンダーヴァナでヤムナー河に沿って歩くと、一番よく目について、美しく見えたのは「マダンモハン寺院」です。あまりガイドにも載っていませんが、おそらくこのあたりでは一番古い寺院ではなかろうか? そうです、このあたりの建物は、実はそれほど古いものではないのです。昔はかなり繁栄したそうで、金の寺院とか、絢爛豪華な神像が幾つもあったそうですが、イスラム教徒が全て破壊してしまったのです。ですから今あるのは、それ以降に建てられたものだけ。
マダンモハン寺院は、赤い色をして、青い空に美しく映えるので、けっこう目立ちます。けれども、ガイドのインド人に聞くと、それ何?という感じで、存在にも気づきませんでした。古いものと新しいものの二つがあるのですが、古いものは、立て看板があって、なんだか国の文化財の指定を受けています。中には、先ほど言ったように、ブラーフマナの家族が住んでいました。洗濯物を干したり、神殿の前に座って、訪れる人に説明したりしています。そうです、どうやら、このようにお寺の中に住むブラーフマナというのは、結局、ものすごく貧乏なようです。まさかシュードラが住むわけがないし、ブラーフマナといっても、ひどい生活している人はたくさんいるようです。ああ、なんだか辛いね。サタジットレイ監督の、遠雷だか、なんだかそんな名前の映画があったが、タゴールの原作だったと思うが、貧窮に屈したブラーフマナの奥さんが、他の男のいいなりになるなんて話だったが、せつないものだ。
歴史建造物を見ようなんて期待すると裏切られるので要注意。
でも一番有名なのは、バンケビハリ寺院だろうか。あ、そうそう、気をつけないと、インドのお寺は、だいたい昼間はしまっているので、午前中か、もしくは午後五時くらい以降に行かないといけません。そのバンケビハリ寺院ですが、ヴリンダーヴァナの商店街の中を通って行きます。インドの商店街を歩くのはなかなか楽しいですよ。けれども、どのブースも、ほとんど同じ大きさなのが、なんだか規格化されているようで不思議な気がする。売っているものというのは、それほど変わったものはありません。どこで買っても同じようなものばかりです。食べ物もたくさん売っており、油で揚げたお菓子などがありますが、油が悪かったのか、私は胃炎になってしまいました。外国人だとわかると足下を見られるので、買い物に必要なヒンディー語は覚えておきましょう。必要なのは三つか四つの言葉で十分です。
それでバンケビハリ寺院に行くとですね、4時頃に着いたものだから、ハエが一杯飛んでいる、入り口の前で、インド人達と一緒に待ちましたよ。地方からわざわざ来ている人たちもいました。しかし、商店街のただ中にあるんですから、なんだか興もそがれます。

5月1日

本日から、紀伊国屋などで売っています。

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クリシュナ神の物語・「バーガヴァタ・プラーナ」