クリシュナ神の物語

バーガヴァタ・プラーナ  第五巻

第五巻は、第一話から第二十六話まであります。

 
  
  第五巻第二十六話
 地獄の世界の描写
 
 パリークシットは訊ねました。
 『 ああ、偉大なる聖仙よ、この宇宙がかくも多様な世界で構成されているのは、一体どうしてなのでしょうか? 』(1)
 
 聖シュカは答えました。
 『 人が三グナに動かされて様々な行為を行い、その結果受け取るであろう運命は、彼が信じる対象によって異なってきます。そしてそれらの運命は、遅かれ早かれ、異なった時にその当人に訪れてくるのです。
 罪を犯した者に訪れるであろう結果も、それと同じように、その人の信念の違いで変わってくるのです。そこで今から私は、神にて定められた何千とある地獄のうち、そのおもなものについて説明していくでしょう。それらの世界は、心に広がる無知ゆえに欲望をいだく者が、永遠の過去から、犯した罪ゆえにたどり着く世界なのです 』(2〜3)
 
 王は訊ねました。
 『 あなたが仰られた地獄の世界とは、ああ、神の如き聖仙よ、それはこの地球上のどこか特別な場所なのでしょうか? それとも、卵のような形をしたこの宇宙の外側か、またはその中にある特別な世界なのでしょうか? 』(4)
 
 聖仙は答えました。
 『 それらの世界は、この宇宙の中の、地球よりも下で、水(卵の形をした宇宙を、その外殻まで満たす水)の上、南の方角にあるのです。そしてその世界では、アグニシュワーッタなどと呼ばれる祖霊の一群が住んでおり、彼らは主を心から瞑想しながら、地上に住む子孫の幸福を祈っているのです。
 またそこには祖霊たちの王である、栄光に満ちたヤマ(太陽神ヴィヴァスワーンの息子。閻魔大王)が、家来たちと共に住んでいると言われます。そしてその御方は、この世界に自分の家来が連れてきたジーヴァ(個の魂)に、彼が生前に犯した罪に相応しい罰を下していくのです。そしてそれらの罰は、全能の主の命令に背くことがないようにと、細心の注意を払って下されるものなのです。
 よく知る者は、この世界における地獄の数は、二十一あると言います。そこで今から私はそれらについて、ああ、王よ、その名称とそこで下される罰、そしてそこに落ちる原因となった罪について、あなたに説明していくでしょう。それら地獄の名前は、ターミスラ、アンダターミスラ、ラウラヴァ、マハーラウラヴァ、クンビーパーカ、カーラスートラ、アシパトラヴァナ、スーカラムカ、アンダクーパ、クリミボージャナ、サンダムシャ、タプタスールミ、ヴァジュラカンタカシャールマリー、ヴァイタラニー、プーヨーダ、プラーナローダ、ヴィシャサナ、ラーラーバクシャ、サーラメーヤーダナ、アヴィーチ、そしてアヤフパーナと言われるのです。またこの他にもさらに七つの地獄があると言われ、それらは、クシャーラカルダマ、ラクショーガナボージャナ、シューラプロータ、ダンダシューカ、アヴァタニローダナ、パリャーヴァルタナ、スーチームカと言われており、以上を合計すると二十八の地獄があることになり、それらの世界は、罪深き者が様々な苦しみを味わう場所なのです。(5〜7)
 
 これら地獄のうち、他人の財産や子供、妻を奪った者は、恐ろしきヤマの家来により、「 死 」の綱に繋がれて引き立てられていき、「 ターミスラ[暗黒] 」という地獄に落とされるでしょう。全くの暗黒であるその世界で、ジーヴァは食物も水も与えられずに苦しみ続けて、怒鳴りつけられたり、その他様々な苦しみを味わうや、失意に満たされていき、やがて気を失ってしまうのです。
 また他の男を騙してその妻を楽しんだりした者は、「 アンダターミスラ 」という地獄に落とされるでしょう。ジーヴァはそこに落ちるや非常な苦しみを味わい、そのあまりもの苦しみゆえ、彼は根を切られた樹のように、意識と視力を失ってしまうのです。それゆえにこの特別な地獄は、アンダターミスラ[完全な暗黒]の名で呼ばれているのです。(8〜9)
 
 さらに自分の肉体が自分と考え、この世のもの(妻や子供など)を自分の物と考えて、来る日も来る日も他の生き物に敵意をいだいて、自分の家族だけを愛し、養ってきたような者は、そうした敵意を抱いたことゆえに、死の後には、この世に全てを残して、彼一人が「 ラウラヴァ 」という地獄に落ちていくでしょう。
 そして彼がこの世で殺した生き物は、今度はあの世(地獄)でルルとなって生まれ変わり、彼が殺したのと同じやり方で、今度は彼がそれらに殺されるという形で、ヤマが科す苦しみを経験するのです。その為にこの世界はラウラヴァ[多くのルルが住む世界]と呼ばれており、ルルとは、蛇よりも獰猛な生き物のことなのです。
 同じような地獄が「 マハーラウラヴァ 」と呼ばれており、その世界へは、この世で自分の身体を養うことだけを考えて、他を憎んできた者が落ちていくのです。そしてルルの一種であるクラヴィヤーダ[肉を食うもの・肉食であることより言われる]が、そんな彼に襲いかかって、彼の肉を貪り喰らうのです。(10〜12)
 
 また「 クンビーパーカ[調理鍋の地獄] 」という地獄では、動物や鳥を生きたまま料理するといった、ラークシャサ(人の肉を食べると言われる)でさえ非難するような無慈悲な行いをした者を、ヤマの家来が、煮えたぎった油で揚げることでしょう。
 そして自分の父やブラーフマナ、ヴェーダを憎んだような者は、「 カーラスートラ[非常に長い時間] 」という地獄に落ちていくでしょう。そこでは、燃える銅板が一万ヨージャナにも渡って広がっており、彼はその板の上で熱せられて、上からは太陽が照りつけ、空腹と渇きによって、心身ともに悶え苦しむことになるのです。彼はその世界で、座ったかと思えば立ちあがり、または転がって、さらに起きあがり、あちこちへと駆けずり回りながら、それは獣の体毛の数と同じほど長い、何千年という年月を過ごしていくのです。(13〜14)
 
 さらにヴェーダが指し示す道を、緊急時を除いて逸脱して、異端の教えを信じたような者を、ヤマの家来は「 アシパトラヴァナ[刃物のような草が生い茂る森] 」という世界に放り込み、彼を鞭で打ちすえるでしょう。その森の中をあちこちと駆け回るうちに、彼の手足は両側が刃物のようなパルミラの葉で傷つき、「 ああ、俺はもうおしまいだ! 」などと叫びながら、苦しみのあまり、一足毎に気を失ってしまうのです。このようにして背教者である彼は、異端に与した罪を刈り取らされるのです。(15)
 
 次に、罪の謂われ無き者を罰した者、またはブラーフマナに体罰を加えた王、そして王の執行官といった残虐な者達は、「 スーカラムカ[豚の口] 」という地獄に落とされるでしょう。そこでは彼の手足は、砂糖キビが機械で潰されるように、強い力を持つ者の手で砕かれるのです。そのようにしてその者は、この世で無実の者を拘束した罪を裁かれるのです。彼の心は恐れおののき、悲しげな悲鳴をあげるや、ついには気を失ってしまうでしょう。(16)
 
 さらにこの世の生き方(ヴァルナとアーシュラマ)が宇宙存在(主)によって定められているのに(原人プルシャの身体が分かれてヴァルナが出来たことの意)、他の苦しみを理解出来る人間として生まれた者が、神によってその生き方(人の血を吸うなど)が定められた他の生き物(蚊など)を苦しめたなら、そのように他の生き物に憎悪を抱いたゆえ、死の後には、「 アンダクーパ[入り口が覆われた井戸] 」という地獄に落とされるでしょう。彼はその世界で、自分が生前に殺した、鹿などの動物や、鳥、爬虫類、蚊、シラミ、虫や蠅などの生き物に、ありとあらゆる方向から憎しみを受け取り、ゆっくりと眠ることも、心安らぐことも出来ずに、またどこでも休息など取れずに、まるでジーヴァが死体の中で不安に過ごすように、暗闇の中をさまよい続けるのです。(17)
 
 そして家長に定められた五つの日々の祭祀を行わずに、食べ物を他に分け与えず、それを自分だけで食べた、まるでカラスのような人間は、この世の生命が終わると、「 クリミボージャナ[虫を食べて生きる] 」という、最も酷い地獄に落ちていくでしょう。食べ物の一部を他に分けずに、供物として祭火に捧げなかった者は、もし生きている間にその罪を償わなかったなら、その世界にある、ミミズやヒルなどで溢れ返った十万ヨージャナもの広さをした湖の中で、同じような一匹の虫となって生まれ変わり、今度は彼がそれら虫たちに身体を食べられながら、その湖のヨージャナと同じほどに長い年月、苦しみ続けることになるのです。
 さらに「 サンダムシャ(ハサミの名前) 」という地獄では、ああ、王よ、ブラーフマナや他の者から、生命に差し迫った状態でもないのに、彼らの財産である金や宝石などを、無理矢理に、又は盗みを働いて奪った者の身体を、ヤマの家来たちが、熱く焼けた鉄の玉やハサミで切り裂くでしょう。
 また「 タプタスールミ[赤く焼けた鉄の像] 」という地獄では、相応しくない女性と交わった男性や、また近づくべきでない男性と結ばれた女性を、ヤマの家来が手に持つ鞭で打ちのめして、赤く焼けた鉄の女性の像を男性に、同じく男性の像を女性に抱かせるでしょう。
 そして他のもの(動物も含め)と無差別に性交を行ったような者は、死の後には「 ヴァジュラカンタカシャールマリー[固い棘を持つ木綿の樹] 」という地獄に落とされ、そこで彼はダイヤのように固い棘を持つ木綿の樹の上に置かれて、勢いよく下に引きずり下ろされ、棘でその身体を引き裂かれるのです。(18〜21)
 
 また(ヴェーダに定められる)敬虔さの限界を逸脱した、クシャトリヤや王の執行官達は、たとえ異端の信条を信じていなくとも、制限を冒涜した罪ゆえ、死の後にはヴァイタラニー[激しい感情の河]という河に落とされるでしょう。それは地獄の周囲を取り囲む河となっており、その世界で出来た糞便や尿、膿、血、毛髪、爪、骨、脂肪、肉、髄、そういった汚物を運ぶ堀として働いているのです。その河に落ちた者は、その河に住む水棲動物にあちこちで身体をかじられ、それでも自分の犯した罪ゆえに、その身体や運命から逃れることが出来ずに、自分たちの犯した悪の結果に苦しんでいくのです。
 さらに自分自身は高い生まれなのに、低いカーストの女性を囲って、純潔さや敬虔な行為、食事の制限などを捨てて、恥などを捨て去り、獣のように生きてきた者は、死後には「 プーヨーダ[臭い水] 」という、海のように大きな池へ落ちていくでしょう。その池では、縁まで膿や大便、尿、痰、泥が溢れており、彼はその池の中で、そのような忌まわしいものだけを食べて生きていくのです。
 また犬やロバを育てて狩猟を楽しみ、聖典に認められる機会以外に動物を殺したブラーフマナは、死の後には「 プラーナローダ[呼吸の停止] 」という地獄に落ちていき、そこではヤマの家来たちが、彼を的にして矢を射ることでしょう。(22〜24)
 
 さらに単なる見せ物の供儀で動物を殺した偽善者は、死後には「 ヴァイシャサ(またはヴィシャサナ。[眠りがない]) 」と呼ばれる地獄に落ちていくでしょう。彼らがその世界に落ちてくるや、地獄を管理する者達(ヤマの家来)は、その身体を細かく切り刻んでいくでしょう。
 また欲情に盲目となって、自分と同じカーストに属する妻に、自分の精液を飲ませた罪深いドウィジャ(再生族)は、あの世では「 ラーラーバクシャ[精液を飲んで生きる] 」と呼ばれる精液の河に投げ込まれて、今度は自分がそれら精液を飲んで生きていくのです。
 そしてこの世で人に毒を盛ったり、または家に放火し、村々や隊商を略奪した盗賊や王、さらに王の兵隊などは、あの世では「 サーラメーヤーダナ[犬の食べ物] 」という地獄に落ちていき、ヤマの使いに他ならぬ、七百二十頭(一年を構成する昼と夜)もの鋭い牙を持つ猟犬に、身体を貪り食べられるのです。
 次にこの世の法廷で、または商取引や贈り物をする際に、偽りの証言を行った者は、たとえどんな理由があろうと、死後には「 アヴィーチマット 」という地獄に落とされるでしょう。彼はその世界で、百ヨージャナもある険しい山の上から、真っ逆さまに下へ突き落とされるのです。その山には足がかりとなる所が一つもなく、山肌は水のように光って見える為に、その世界は、アヴィーチマット[水を持たない]と呼ばれているのです。地上に落ちて身体が粉々となっても、彼は死ぬことなく、再び山の上へ運ばれていくや、また直ちに下へ突き落とされるのです。(25〜28)
 
 そしてブラーフマナやその妻、または神聖な誓いを立てた者が、倒錯から酒を飲んだり、またクシャトリヤやヴァイシャがソーマ樹液を飲んだなら、彼らは死後には「 アヤフパーナ[鉄の飲み物] 」という地獄に落とされるでしょう。そこではヤマの家来達が、彼らの口に溶けた鉄を注ぎ込み、その胸を足で踏みつけるのです。
 さらに自分自身は社会の最下層に属するのに、自分よりも家柄や苦行、学修、敬虔な行い、そしてヴァルナやアーシュラマが優れた者を、自尊心から敬うのを拒否したような者は、たとえ生きていようと死人に等しく、それゆえ死後には、真っ逆さまにクシャーラカルダマ[苦い泥の池]という地獄に落とされ、しばらくの間そこで苦しむ羽目となるのです。(29〜30)
 
 また女神バドラカーリーやバイラヴァなどの神を喜ばせようとして、人間を生け贄として捧げた男、またはその生け贄の肉を食べた女性は、死後にはヤマの世界にある「 ラクショーガナボージャナ[ラークシャサの食べ物] 」という地獄に落とされるでしょう。そして獣のようにして彼らに殺された犠牲者は、ラークシャサの姿をした処罰者となってその世界で生まれ変わり、彼ら男女がこの世で自分に為したように、今度は彼が彼らの身体を、肉屋のように剣で切り刻み、流される熱い血を飲んで、陽気に歌い騒ぐのです。
 そして森や村の中に生きる無害な生き物を、それらが近くにきた時にうまく誘って安心させ、捕まえるや鉄の釘で打ち付けたり、紐でくくって玩具のように扱って苦しめた者は、死の後には「 シューラプロータ[槍で串刺しにされる] 」という地獄で、ヤマが与える苦しみの中で、杭で突き刺されたりしてその罪を償わされるのです。そして彼は空腹や渇きに苦しみながら、ノスリ(鷹の一種)やウズラなどの鋭いくちばしを持つ鳥に、四方から身体をついばまれて、苦しんでいかねばならないのです。(31〜32)
 
 次に蛇のように残忍に、他の生き物を悩ませてきた者は、死の後には「 ダンダシューカ[仕返しに棍棒で殴られる] 」という地獄に落とされて、そこでは、ああ、王よ、五つ、ないしは七つの頭を持つ蛇が彼らに襲いかかり、まるで鼠のように呑み込んでしまうことでしょう。
 またこの世で生き物を暗い穴や倉庫、洞窟などに閉じ込めた者は、あの世では「 アヴァタニローダナ[暗闇に投げ込まれる] 」という地獄に落ちていき、彼らは自分がしたのと同じように、ヤマの家来によって穴の中へ投げ込まれたり、また毒の煙や炎で満たされた洞窟に、閉じ込められたりするのです。
 そして生きている間に、見知らぬ者やよく知る訪問者に、燃やさんがばかりに悪意に満ちた怒りの眼を向けた家長は、「 パリャーヴァルタナ[眼をえぐり取る] 」という地獄に落とされるでしょう。そこでは禿鷲やノスリ、カラスやウズラなどの鋭いくちばしを持つ鳥達が、そんな彼らの罪深い眼を、大変な勢いでもぎ取っていくのです。
 さらに自分の財産を誇って自己本位となり、誰をも信じずに、自分の財産が無くなったり減らないかと、たえずそのことだけを心配して、心も顔もしかめて心の平安を失い、自分の財産を得たり、またそれを増やしたりと、悪魔のようにそれを守ることに専念して罪を増幅させてきた者は、死の後には「 スーチームカ[針の先] 」という地獄に落とされるでしょう。そこではヤマの家来達は、悪魔のようにして財産にしがみつくその罪人の身体を、仕立屋のようにくまなく縫いつけていくと言われます。(33〜36)
 
 ヤマの世界にはこれらの他にも、さらに何百、何千という地獄が存在しています。ああ、地上の支配者よ、ここに述べられた、またはまだ話されていないアダルマの道をいく者は、これら地獄の世界を、次から次へと巡っていくのです。そして徳高き道を歩む者は、天国などの世界へ行くことになるでしょう。このようにして彼らは、まだ残された罪や功徳を心に残しながら、再びこのバーラタ・ヴァルシャに戻ってくるのです。(37)
 
 ニヴリッティ、すなわちこの世の活動の停止として特徴付けられる道(解脱へ向かう道)は、すでに詳しくあなたにお話ししました(第二巻第二話にて)。これらお話ししてきたようなことが、卵のような形をしたこの宇宙の全てであって、それはプラーナにおいては、十四の世界に分かれると述べられています。そしてそれは主のマーヤーである三グナにて作られた、最高者バガヴァーン・ナーラーヤナの、最もよく知られた壮大なお姿なのです。私が今まで話してきたことを、尊敬心を持って読み、そして聞き、語る者は、信念とバクティにてその心は清められていき、やがてウパニシャッドの主題である、至上の大霊の、最も不可思議な(最も微細な)相をも、悟ることが出来るでしょう。(38)
 
 バクティの道に専念する者は、主の壮大な、及び微細な両相についてよく聞き、自分の心を主の壮大な相に集中した後に、微細なる理性の助けを用いて、それを主の微細な相に徐々に固定するようにするのです。
 ああ、王よ、以上のようにして私は、全ての生きものの居所であり、かつ全能の主の壮大なお身体を構成する、ドウィーパとヴァルシャ、そして山や河を持つこの地球、さらに空界、七つの海、七つの地下世界、四つの方角、地獄の世界、さらに天体や惑星、それらの相対的位置関係などについて、詳しくあなたにお話ししました 』(39〜40)
 
 (第五巻第二十六話の終わり)
 
 注1 家長が為す日々の五大祭とは、マヌ法典によると、以下のようなものと書かれている。
 ブラフマ・ヤジュニャ リシ(聖賢)を満足させることであり、そのリシから教えられたヴェーダを唱えたり、それを人々に伝えることを意味する。
 ピトリ・ヤジュニャ 祖霊(ピトリ)を満足させることであり、タルパニャと呼ばれる永遠のピトリ、ないしは自分たちの先祖に感謝すること。水を捧げるなどの行為がある。
 ダイヴァ・ヤジュニャ 神々への感謝の行為のこと。ホーマや、神々の名の下に祭火に供物を捧げることがある。
 ブータ・ヤジュニャ 人間以下の動物に感謝することであり、食べ物の一部を動物などに提供すること。
 ヌリ・ヤジュニャ 同胞である人間を崇めることで、家に訪ねてきた人に食物を提供したりすること。
 注2 聖典によると、家長は、家の前に立つ訪問者、その家の召使い、家族の中の子供と年寄りを饗した後に始めて、自分の食事を取るべきだとされている。
 

(第五巻第二十六話の終わり)

校正終了

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