バーガヴァタ・プラーナについて

 
クリシュナとラーダー

バーガヴァタプラーナは、全十二巻から構成されており、
最高神であるマハー・ヴィシュヌ(クリシュナ)の降誕として、シュリー・ハリの物語が様々に語られています。
特に第十巻は、クリシュナ・ヴァースデーヴァの生涯が美しく表わされていることで有名です。
このプラーナは、クリシュナに関する記録としては、ヴィシュヌ・プラーナ、ハリヴァンシャを凌ぐものとされ、同時に世界最高峰の詩文学だと絶賛されているものです。
そしてヴィシュヌ教徒であるヴァイシュナヴァに、バクティを教える最高の教典として崇められてきました。
インドにおけるプラーナ文献は、このほかにも数多くありますが、
バーガヴァタ・プラーナほど、歴史上において多くの人々に読まれ
数多くの注釈書が著されてきたものは、他に例を見ないでしょう。
また、これほど詳しくクリシュナのことが記された書物も存在しないでしょう。
 
最近、日本国内でも、クリシュナに関する関心が高まっているのですが、
残念なことに今まではその一部しか紹介されてきませんでした。
今回、幸いにも訳する機会を持ち、クリシュナの、その生涯、神性などについて、
私自身も詳しく知ることが出来ました。

このホームページでは、そのうち、各巻から一話ずつピックアップしていく予定です。
クリシュナの降誕は第十巻にて描かれますが、
それまでの九巻は、代表的なインド神話がヴィシュヌ教の立場から描写され、
その背景に、クリシュナはシュリー・ハリとして登場して来ます。

神話としては、世界の国々に、それぞれ自国民の精神を表わすかのごとく存在しますが、
インドにおける神話(プラーナ)ほど、高い精神性、また哲学的演題を持つものは存在しないと思われます。
このプラーナの中では、伝統的なヴェーダ世界を基礎に
サーンキヤ哲学、ヨーガ理論、またバクティについてが詳しく語られ、
哲学的な思想を求める方にも、十分な満足を与えてくれるものと思われます。

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クリシュナ神の物語・「バーガヴァタ・プラーナ」